やぐち建築士の備忘録

日々思うところをつづるブログ

風圧力と基準風速との関係

 基準風速=平坦で開けた田園地帯など(地表面粗度区分Ⅱ)での高さ10mでの再現期間50年の暴風の10分間平均風速

 

設計用風荷重

 設計用風荷重=10分間平均風速下で生じる最大の荷重効果と等価な荷重効果をもたらす静的荷重

 

構造骨組用風圧力

 w=0.6 Er^2・Vo^2・Cf・Gf

 

外装材用風圧力(ピーク風力係数)

 w=0.6 Er^2・Vo^2・Cf'

 

 Cf:風力係数(平均風力係数)

 Cf':ピーク風力係数

 Vo:基準風速

 Er:平均速度の高さ方向の分布を表す係数(高いほうが大きい)

 Gf:ガスト影響係数(低いほうが大きい)

 

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再現期間

基準風速Voは、建築基準法で、再現期間50年。

基本風速Uoは、荷重指針で、再現期間100年。

 

粗度区分

告示 では、Ⅰ~Ⅳの4段階。

区分の判断にばらつきが生じないことを優先させている。

 Ⅰ:極めて平坦で障害物がないものとして特定行政庁が規則で定める区域

 Ⅱ:海岸線までの距離が500m以内の地域(※「ただし」がいろいろある)

 Ⅲ:Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ以外の区域

 Ⅳ:都市化が極めて著しいものとして特定行政庁が規則で定める区域

 

荷重指針では、Ⅰ~Ⅴの5段階。 

 Ⅰ:海上のようなほとんど障害物のない平坦地

 Ⅱ:田園地帯や草原のような、農作物程度の障害物がある平坦地、樹木・低層建築物が散在している平坦地

 Ⅲ:樹木・低層建築物が密集する地域、あるいは中層建築物(4~9階)が散在している地域

 Ⅳ:中層建築物(4~9階)が主となる市街地

 Ⅴ:高層建築物(10階以上)が密集する市街地

 

層間変形角地震の数値1/200(1/120)の根拠は?

非構造部材(外装材)の著しい破損・脱落を防ぐため。

 

外装の破損・脱落は、建築物の機能喪失、道路上の通行人への被害が生じてしまう。

 

外装材の取付部は緊結する必要があり、比較的発生頻度の高い地震に対して、破壊・脱落を生じさせないことを意図して、標準せん断力係数C0=0.2以上とした設計用地震力に対して計算される層間変形角1/200以内に制限された。

 

この制限は、鉄筋コンクリート造の建築物であればほぼ問題なく満足できるが、鉄骨造建築物の場合には満足できない場合も少なくない。

 

破壊・脱落のおそれがないか、あるいは、破壊・脱落を防止するために外装材に特別な考慮が払われている場合には、層間変形角の制限を1/120まで緩和できる。

 

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層間変形角制限を受ける外力

この層間変形角制限を受ける外力は、法規上は地震のみ

台風は予知が可能であり、通行人も危険を承知で台風時に出歩くものであると判断されたため、風荷重時の変形制限は設けなかった

 

地震荷重算定時の地域係数Z(0.7~1.0)の値とは?

地震地域係数は、Z=1.0, 0.9, 0.8, 0.7の4区分。

沖縄をZ=0.7にしたのは、行政上の配慮から。

(日本に返還された1972年以前は震度0.1を用いていた。
 震度0.1を地域係数に換算するとZ=0.5であるため、0.5→0.8へ引き上げると、一気に60%も地震力が増加してしまうことになる)

 

中地震動と大地震動に対する地震地域係数は同一地域でも異なるのが実態だが、それは行政上取り入れられていない

 

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建築と土木との比較

・建築物:Z=1.0, 0.9, 0.8, 0.7

・土木構造物:Z=1.0, 0.85, 0.7

 

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